皆さんあけましておめでとうございます!!
東京都千代田区 麹町駅と半蔵門駅の間 新宿通り沿いのビル2階・3階にある整形外科クリニック“One Clinic 麹町(ワンクリニック麹町)“院長の栗本です!!
2026年も始まり4日目となりました。
明日から仕事初めの方もいらっしゃるかと思います。
今回は意外とよくあるものの見逃されやすい腰痛の1つBertolotti症候群(ベルトロッティ症候群)について書いてみたいと思います。
Bertolotti症候群(ベルトロッティ症候群)は、**腰仙移行椎に関連して生じる慢性腰痛を指すものです。1917年にBertolottiによって報告されて以来、画像上の異常は比較的よく見られる一方で、「症状の原因として認識されにくい」疾患のひとつとされています。
特に若年~中年層の慢性腰痛で、通常の治療に反応が乏しい場合、本症候群が背景に存在する可能性があります。
原因:腰仙移行椎による力学的ストレス
腰仙移行椎(LSTV)とは
腰椎(L5)と仙椎(S1)の形態が先天的に移行的な構造を示す状態を指します。代表的には、
- L5横突起が肥大
- 仙骨と部分的または完全に癒合
- 偽関節(pseudoarthrosis)を形成
といった形態異常がみられます。
なぜ痛みが出るのか
Bertolotti症候群の本質は、形態異常そのものではなく、そこから生じる力学的破綻にあります。
- 偽関節部での異常可動性
- 隣接椎間(多くはL4/5)への過剰な負荷
- 左右非対称による骨盤・腰椎アライメントの破綻
- 椎間関節・椎間板・筋膜への二次的ストレス
これらが組み合わさり、慢性的な腰痛を引き起こします。
症状:非特異的です
主な症状
- 片側優位の腰痛
- 殿部痛(臀部の深部痛)
- 長時間の立位・座位で増悪
- 体幹回旋や側屈での疼痛誘発
神経症状は少なめ
椎間板ヘルニアと異なり、下肢放散痛や明確な神経脱落症状は少ない傾向があります。ただし、移行椎直上椎間での変性が進行すると、神経症状を伴うこともあります。
診断:画像診断が重要
- 単純X線(正面・側面):横突起肥大や仙骨との連結を確認
- CT:骨性癒合・偽関節の評価に有用
- MRI:椎間板変性や椎間関節、周囲軟部組織の評価
※画像所見があっても必ずしも症状の原因とは限らない点が重要です。
診断的ブロック注射
偽関節部や関連椎間関節への局所麻酔薬注射で疼痛が軽減すれば、Bertolotti症候群による痛みである可能性が高くなります。
治療法①:リハビリテーション(治療の中心となります)
目的
- 腰仙部の過剰な局所ストレスの軽減
- 体幹・骨盤の力学的安定性の再獲得
具体的内容
- 体幹深部筋(腹横筋・多裂筋)の再教育
- 股関節可動域の改善
- 胸椎可動性の改善による腰椎の保護
- 片側優位の負荷を是正する左右差トレーニング
※単なるストレッチのみでは不十分で、運動制御の改善が重要です。
治療法②:投薬治療
症状が強い時期には、以下を補助的に用います。
- NSAIDs:炎症・疼痛の軽減
- アセトアミノフェン:疼痛コントロール
- 筋緊張が強い場合には筋弛緩薬
※投薬はあくまで対症療法であり、長期依存は避けるべきです。
治療法③:注射治療(診断目的)
選択される注射
- 偽関節部への局所麻酔薬+ステロイド注射
- 関連する椎間関節ブロック
- 必要に応じて仙腸関節ブロック
位置づけ
- 診断的価値が高い
- 一時的~中期的な疼痛軽減が期待できる
- リハビリ介入の「きっかけ」として有効
手術療法
保存療法・注射療法で改善しない難治例では、
- 横突起切除術
- 偽関節切除
- 固定術
などが検討されることもありますが、基本的には保存的治療が選択されます
まとめ
Bertolotti症候群は、
- 見逃されやすいが重要な腰痛の原因
- 画像所見と症状の丁寧なすり合わせが不可欠
- 治療の中心は運動療法による力学的修正
というものです
「原因不明の若年から中年期の慢性腰痛」といったケースでは、本症候群の存在を一度考えても良いでしょう^ ^
いかがでしたでしょうか?
腰痛に限らず、筋肉へ再度刺激を入れていく(再教育)ことで解決する体の不調はまだまだ多くあります。
当院は出来るだけ多くの方に「痛みが少ない」・「明日が楽しみになる」日常生活を送っていただけるよう治療・リハビリ含め全力で対応して参ります。
ではこの1年も皆様にとって掛け替えのない1年となりますように。。
どうぞよろしくお願い申し上げます^_^